本校は単に学習指導だけではなく、一人ひとりの心に寄り添ってサポートし、多くの生徒が3年間で計画的に卒業しています。
※前身校:こころ未来高等学校の実績
感動の卒業式
令和5年度第8回こころ未来高等学校卒業証書授与式
卒業証書授与式 答辞紹介
ウイークデイコース代表 小田みずほ (令和元年度 卒業生)
日差しが日一日と温かさを増し、桜の蕾も色付き始め、穏やかな春の兆しが見られるようになりました。
本日は私たちのために校長先生を始めとする諸先生方、保護者の皆様、在校生の皆さんにご臨席賜り、このような素晴らしい式典を挙げていただいたことに、卒業生一同心から御礼申し上げます。
私は、小学五年生のときから起立性調節障害になり、低血圧のため朝起きることができず学校へ行くことができなくなりました。中学進学後も体調は変わらず保健室登校をしていました。そのときは学校へ行くという当たり前のことができない自分に嫌気がさし、なんで私が病気にならないといけないのかと何度も思いました。中学三年生になり私でも行ける高校はあるのかと悩んでいたときにこころ未来高等学校を知りました。そして期待と不安を抱きながら、私たちは新入生あるいは転入、編入という形で、新しい学びの場を求めこころ未来高等学校へ入学しました。思い返せば、入学してから仲間とともに歩んできた三年間は本当にあっという間でした。辛いこともたくさんありましたが、クラスメイトと過ごした何気ない日々も今となってはかけがえない時間に思えます。
高校一年の四月、友達はできるのか不安でいっぱいでした。しかし、日が進むにつれ、お互いのことがわかっていき、初めは静かだった教室もうるさいくらいに賑やかになっていきました。体育祭、文化祭、球技大会などの行事に参加していくにつれ、気がつくと入学したてのころに感じていた不安はなくなり、楽しく充実した一年間を過ごせていました。
1年次二クラスだったのが二年生ではクラスが一組だけになり、多人数でにぎやかすぎて、正直学校が楽しいと思えませんでした。それでも毎日学校に通うことができたのは友達がいたからです。些細なことでも笑いあえ、悩んでいるときは話を聞き助けてくれました。友達がいなかったら乗り越えることはできなかったと思います。三年生になり本格的に進路を決めなければなりませんでした。自分の望んでいた道へ進めた人もいれば、なかなかやりたいことが見つからず悩んでいる人もいました。私は中学生のころから養護教諭になりたいという夢があります。生徒に幅広く対応するため、看護技術や身体面だけでなく、精神面のケアについても学べる看護大学に進学することを選択しました。しかし、いざ受けようとなると「受かるのだろうか、落ちたらどうしよう。」という不安しかありませんでした。そんな時、私の背中を押してくれたのはカウンセリングの先生の言葉でした。「今まで頑張ったみずほなら絶対大丈夫、私が保証する。」先生はさりげなくおっしゃっていましたがこの言葉は不安だらけだった私に自信をつけてくれ、無事合格することができました。
また、高校三年間の中でかけがえのない経験の一つとして挙げられるものは部活動です。私は三年間軟式野球部のマネージャーをしました。二〇一九年六月三年生にとっては最後の定通大会、結果は全国大会出場まであと一勝というところで負けてしまいました。しかし、勝とうと必死に頑張っている選手の姿、試合が終わり悔し涙を流している姿は本当にかっこよかったです。部活動をとおして、コミュニケーションの大切さを学び、感謝されることに喜びを感じました。養護教諭や看護師も生徒、患者さんをサポートする立場なので、マネージャーで得たことを活かしていきたいです。
在校生の皆さん、冒頭でも申し上げましたが、三年間はあっという間です。これから悩み事も増えていくと思いますが皆さんの周りには親身になって相談に乗ってくれる友達、先生方がいます。一人で抱え込まないでください。きっと助けになってくれるはずです。そして勉強や部活はもちろん、友達と過ごす時間などちょっとしたことも大切にし、高校生として残された時間を悔いのないものにしてください。
未熟だった私たちがここまで成長できたのは周りの色々な方々の支えがあったからです。ともに喜び、私たちが間違った方向へ進みそうなときは厳しく叱ってくださった先生方。今日までにかけていただいた数々の言葉は私たちの心の支えになりました。本当にありがとうございました。
そして、私をどんな時も一番近くで支え続けてくれた家族。今まで数えきれないほど苦労をかけてしまってごめんなさい。それでも私のために毎日ご飯を作り、毎朝駅まで送ってくれました。そのおかげで何不自由なく高校生活を過ごすことができました。本当に感謝してもしきれません。これからもたくさん迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。
長い人生のうちで三年という月日はほんのわずかかもしれないけれど、そのときを一生懸命生きたことは、なににも変えることのできないものとなるでしょう。これまで積み上げてきた努力を糧に、私たちはこれからそれぞれの進路に向かって一歩ずつ進んでいきます。
在宅通信制コース代表 吉川真也 (令和元年度 卒業生)
私は高校二年生の夏頃、全日制の高校からこころ未来高等学校・在宅通信制コースへ転入学しました。今思うと、こころ未来高等学校で過ごした日々は、多くの方との出会いによって、成長を感じる事ができた時間となりました。
全日制の高校を辞める事を決意した私は、仕事を探す事ばかりを考え、誰の意見も聞き入れなくなっていました。しかし、心の中はどこか不安で、先が見えず、余裕もありませんでした。そしてとうとう両親ともぶつかり、家出をしてしまうこともありました。ですが、世の中は厳しく、何も知らない高校生が一人で生きていけるはずもなく、未熟な自分を思い知らされるだけでした。そんな中、こころ未来高等学校の存在を知り、迷いもなく、高校を退学するのではなく転校という道を選びました。転校してからは、通信制高校のシステムなどわからないことが多く、たくさんの生徒に話しかけ、大切な友人を見つけることができました。今、周りの友人から、私の第一印象は「しゃべりすぎでチャライやつ」だったと言われますが、それだけ第二の高校生活に期待もしていたし、未来に向かって、突っ走っていたのだと思います。また、通信制高校を卒業する為には学校行事・特別活動への参加が必須です。
しかし、授業を受ける事に比べ、意欲がわかず、さぼったり、髪を染めたり、友人と遊びまわったりしていました。そんな時、こんな私に「高校を卒業することは大切なことなんだ」と必死に向き合ってくださる先生方に心を動かされ将来の夢も見つける事ができました。先生方本当にありがとうございました。今、感謝の気持ちでいっぱいです。私は長崎高等技術専門校への進学が決まっています。将来は人の役に立てる仕事がしたいです。この夢は、ここまで私を支えてくれた多くの方々より与えていただきました。
私が身を持って体験できたこと...
それは、人は人の支えがあれば変わることができるということです。最後にこんな私を本日まであたたかく、時には厳しく?ってくれたお父さん、お母さん。扱いが難しい思春期の私たちは、反抗してばかりで苦労をかけたと思います。
素直になれない私たちを、それでも、最後まで優しく見守っていただきありがとうございました。叱られた時にかけてくれる言葉を今思いかえせば理解できる気がしています。普段は照れくさくて言葉にできませんが、お父さん、お母さんが大好きです。本当にありがとう。
私たちは、それぞれの道へ大きな一歩を踏み出します。時には不安に押しつぶされそうな時もあるでしょう。でも私たちは大丈夫です。こころ未来高等学校での思い出、大切な仲間、そして両親がついています。強い心を持って、芯の強い大人へと成長していくことを誓います。
在宅通信制コース・通信制サポート校代表 日髙ひかり (令和元年度 卒業生)
私はこころ未来高等学校に昨年4月に転入してきました。平戸市に住んでおり、長崎まで通学することは困難だと思い通信制サポート校である夢未来高等学院佐世保校に通いスクーリングや定期試験の時に長崎の本校へ通いました。さて、「転校」「通信制」みなさんはどんなイメージがありますか。私には良いイメージがありませんでした。ましてや、私には無縁のことだと思っていました。しかし、あることがきっかけで前籍校に通えなくなり、対人恐怖症で不登校の日々が続きました。このままではいけない。学校に行かないといけない。という思いが毎日頭をよぎりました。しかし、欠席日数は増えていきいよいよ転校しなければというところまできました。そして、両親への申し訳なさが日に日に増していきました。母から「転校しても良いよ」。と言われ少し心は軽くなりましたが、実際は不安と絶望の毎日でした。何度も何度も自分を責めて、両親に隠れて涙を流す日々でした。
転校の話を聞きに行くために、夢未来高等学院の扉を開いて加納先生に初めて会った時のことです。私はその日大泣きをしました。今まであったこと、そしてこれからの不安をたくさん話しました。先生方はずっと私の話を聞いてくれました。そして、「ここには悪い人はいないから大丈夫」という言葉をかけてくれ、この言葉が私の背中を押してくれ転校を決意しました。
私はサタデーコースという週1回通学のコースを選択しました。転校初日、緊張をしながら教室に行きました。自分と同じでどんよりした気持ちで転校をしてきた生徒しかいないと思っていて、本当に教室に入ることが嫌で仕方がありませんでした。しかし、クラスのみんなは明るく笑顔で私を迎えてくれました。少なからず、何かしらのことを抱えてここに転校や入学をしてきているはずなのにみんな楽しそうに過ごしていて、自分が悩んでいることや抱えていることが小さく見えました。自分のペースで学校に行けるようになり、今までの苦しかったことと向き合い、努力することができました。
私がこの卒業という日を迎えることができたのも、親身になって話を聞いてくださった先生方や誰よりも私の幸せを願いどんな時も寄り添って励ましてくれた家族のおかげです。「おとうさん、おかあさん18年間、育ててくれてありがとう。感謝の気持ちでいっぱいです」
そして、クラスのみんなへ。本当に笑顔で賑やかなクラス。まじめに勉強したり、時にはバカ騒ぎをしたり、時には先生ににぎやかすぎると言われたり、週1回の学校に行くことが本当に楽しみで仕方がありませんでした。学校での出来事を母に話すと「楽しそうだね」と言ってくれたり、自分のことのように友達のことを喜んでくれたりしました。『転校をして良かった』と私も両親も心から思えるようになりました。
先生方とはじめて会った時の「ここに悪い人はいないから大丈夫」という言葉を信じて良かったです。こころ未来高等学校での学校生活は1年という短い期間でしたが、転校前とは想像もできないくらいのたくさんの思い出ができました。
佐世保校の大好きな先生がもう1つ教えてくれた言葉があります。
【どれが正解ではなく、自分の選んだ道を正しいと思えるか】
私が今選んだ道は本当に正しかったと心から思えます。
私は将来、動物園・水族館の飼育員になりたいと思っています。そのためにこの春から沖縄にある専門学校に進学します。自分の夢を叶えるためにこれからも努力をし続けます。
最後になりましたが、学校生活を支えてくださったすべての方々に改めて御礼を申し上げるとともにこころ未来高等学校の更なる発展を願って答辞の言葉とさせていただきます。